【離婚の際の弁護士費用】相手に負担させることはできる?

離婚に際して弁護士への依頼を検討している場合に気になるのが、弁護士費用ではないでしょうか?弁護士費用は高額な上に、弁護士に依頼したからと言って必ずこちらの希望通りに事が運ぶとは限りません。ましてや、相手方に非がある場合は、こちらが弁護士費用を負担することに納得できませんよね。

しかし、ケースによっては弁護士費用を相手に負担させることも可能です。






調停の時点での請求は不可!ただし裁判になれば請求できる可能性あり

基本的に、離婚調停の申立て費用や弁護士に依頼した場合の費用を相手に請求することはできません。
ただし、調停から裁判へと進み、相手が不倫などの「不法行為」に該当する場合には、弁護士費用の一部を相手に請求できる可能性があります。

いきなり離婚裁判はできない!まずは調停から

離婚調停と離婚裁判の大きな違いは、調停はあくまで「話し合いの場」であることに対して、裁判は「裁判官の判断に結果をゆだねる」という点です。
「早く離婚したいから」といきなり裁判を行うことはできず、まずは調停の場にて話し合いを行う必要があります。調停で双方の折り合いがつかず調停不成立となると、離婚裁判へと進みます。

不法行為とは?

「不法行為」による損害賠償請求を裁判で行う場合には、相手に弁護士費用の請求をすることができ、不法行為を行った人は相手に対して損害賠償を行う義務が発生します。不法行為とは、故意(わざと)または過失(うっかり)によって、相手に損害を発生させることです。
離婚問題で挙げられる不法行為の具体例としては、次の通りです。

・不倫(不貞行為)
・家庭内暴力
・借金問題

請求できる金額は弁護士費用の一部のみ

相手の不倫や家庭内暴力などが原因で裁判になれば、その際にかかる弁護士費用の一部を相手に請求することができます。弁護士費用の一部とは、判決で認められた損害賠償額のおよそ10%の金額で、実際に弁護士に依頼してかかった費用の全てを相手が負担するということではないことに注意しましょう。

例えば、裁判で認められた損害賠償額が300万円である場合、その10%の30万円が弁護士費用として損害賠償額に含められます。つまり、不倫などの不法行為を行った相手方は合計330万円を支払うことになるのです。

裁判で和解になった場合は弁護士費用の請求はできない

上記のように、相手の不倫や家庭内暴力などといった不法行為に基づく場合は、弁護士費用を相手に請求することができますが、これは裁判で判決を出してもらった場合に限るため、和解となった場合には請求することはできません。
加えて、示談交渉や調停の段階では請求することはできないことも知っておきましょう。

示談交渉なら弁護士費用を負担させることが可能

示談交渉では「弁護士費用」として相手に請求することはできませんが、示談交渉の際に慰謝料の金額に弁護士費用を上乗せして請求することは可能です。調停はあくまでも話し合いの場であることから弁護士費用の請求はできませんし、裁判へと進んでも請求できるケースが限られていることに加えて、実際にかかった費用の全てをカバーできるとは限りません。

示談交渉では、通常まず最初は相手に払ってもらいたい金額よりも多く設定して請求しますが、そこへ説明がつく範囲の金額を上乗せして請求すればいいのです。

初めから「慰謝料と弁護士費用を負担してほしい」と言っても、それに応じるケースはほとんどないので、「慰謝料」として請求しましょう。



離婚裁判の訴訟費用は相手に請求できる可能性あり

離婚裁判における訴訟費用は、相手に負担させることができます。しかし、その割合は判決によって異なり、敗訴者が全額負担する場合もありますが、「原告3:被告7」などの割合で負担するケースもあります。

訴訟費用とは、裁判を起こす場合に裁判所へ支払う費用のことで、印紙代や予納郵券代(裁判中の連絡に使用する郵便切手)などが含まれます。

ただし、この訴訟費用を相手に請求するには、訴えの当初の段階で「訴訟費用は被告の負担とする」と訴状に記載しておく必要があります。

離婚裁判にかかる訴訟費用はどのくらい?

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  • 収入印紙代:13,000円
  • 戸籍謄本取得費用:450円
  • 郵便切手代:6,000円
  • 慰謝料請求:1,000円~(場合による・請求額に応じて変動する)
  • 財産分与請求1,200
  • 養育費請求1,200円(場合による・子供一人につき)

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離婚請求と同時に慰謝料などの請求を求める場合は、その請求額に応じて必要な収入印紙代の金額が変動します。

例えば、慰謝料をとして10万円請求する場合に必要な収入印紙は1,000円、100万円を請求する場合は10,000円、500万円を請求する場合には30,000円となります。



離婚調停の申立てにかかる費用

弁護士に依頼せずに自分で調停を申立てする場合は、下記のように数千円程度で可能です。

離婚調停申立てにかかる費用

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  • 収入印紙代:1,200円
  • 切手代:800円
  • 住民票取得費用:250円
  • 婚姻費用分担請求:1200円(場合による)
  • 財産分与請求1,200円(場合による)
  • 養育費請求1,200円(場合による・子供一人につき)
  • 慰謝料請求:1,200円(場合による)

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婚姻費用分担費用とは、別居中の夫婦の生活や養育費など、通常の社会生活を維持するために必要な生活費のことで、食費や住居費、医療費などに加えて、子供の養育費などが含まれます。

婚姻費用分担費用についてはコチラ▼ ▼ ▼
別居中の生活費を確保!婚姻費用分担請求とは?



弁護士に依頼する場合にかかる費用と相場は?

弁護士に依頼する場合は、上記の離婚調停申立て・裁判へ移行する場合には訴訟費用に加えて、次の費用がかかります。

相談料

弁護士に依頼することを考えた時に、まず最初に発生するのが、相談料です。
初回の相談は無料で行ってくれる法律事務所もありますが、そうでない場合にかかる相談料は一般的には1時間あたり5,000円~10,000円が相場となっています。

着手金

着手金とは、弁護士に依頼する場合にかかる手付金のような費用のことで、訴訟準備などに使われます。着手金の相場は、20万円~40万円ほどだと言われています。分割払いが可能な場合もありますが、一括で払うのが一般的です。

成功報酬

成功報酬とは判決後に発生する費用で、手にした慰謝料の内の〇〇%という形で請求されます。成功報酬の相場は40万円~60万円ほどです。

日当、実費

日当とは、弁護士が離婚調停や裁判に同席するなどで事務所を離れる際に発生する費用で、その相場は1時間1万円です。ですので、半日だと約5万円、1日だと約10万円の日当がかかることになります。
また、ここで言う実費とは、裁判所へ支払う費用(手数料など)を弁護士が立て替えていた場合に後から請求される費用のことです。

弁護士費用をできるだけ抑えるには?

弁護士に依頼するとなると、少なくとも数十万円の費用がかかってしまう事は確かです。しかし、金銭的に厳しいからと言ってあきらめる必要はありません。ここからは、弁護士費用をできるだけ抑える方法をご紹介していきます。

費用が安い弁護士事務所を利用する

最もシンプルな方法が、弁護士費用が安い事務所を利用することです。数多くある弁護士事務所の中には、「着手金0円」や「初回相談無料」など、お金がなくても利用しやすい弁護士事務所もたくさんあります。
弁護士を自分で探す際は、離婚問題に詳しい弁護士に依頼しましょう。弁護士によって得意な分野とそうでない分野がありますので、離婚問題に慣れている弁護士を探しましょう

家庭裁判所から近い弁護士事務所に依頼する

さきほどご紹介したように、弁護士費用の実費には交通費が、日当には移動する時間も含まれていますので、家庭裁判所からできるだけ近い弁護士事務所に依頼することで、実費や日当の費用を抑えることができます。

法テラス(日本司法支援センター)を利用する

法テラスとは、経済的に余裕がない方が利用できる法律相談窓口です。弁護士に依頼する際の費用が一般的な相場よりもかなり安いことに加えて、「民事法律扶助制度」を利用すれば法テラスが弁護士費用を立て替え払いしてくれるサービスもあります。

「民事法律扶助制度」とは、手持ちの資金がなくても弁護士に依頼でき、毎月1万円からの分割払いによる返済が可能で、利息や手数料がかかりません。
ただし、このサービスを利用するには審査に通る必要があり、結果が出るまでに2週間程度かかることに注意しましょう。

まとめ

ただでさえ精神的な負担を強いられる離婚。その上、弁護士費用で数十万円の出費なんて耐えがたいものですよね。
裁判になっても納得できる金額を弁護士費用として支払ってもらえるとは限らないので、もし可能であれば弁護士に依頼した上で示談交渉を試みる方法が良いのではないかと私は思います。







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