未熟児でも大丈夫?出生後の入院や成長について

赤ちゃん誕生は家族にとって待ちにまった瞬間です。無事に生まれてきてほしい、健やかに成長してほしいと願うものですが、中にはお母さんのお腹で十分に大きくなる前に外の世界に出てくる赤ちゃんもいます。小さな体で懸命に生きようとする赤ちゃんをどうやって守っていったらいいのか途方に暮れてしまう親御さんも少なくないことでしょう。日本の医療機関は優秀です。小さく生まれても大きく育つよう、サポートしてくれます。赤ちゃんとお母さんが安心してお産を迎えられるため情報をお伝えします。

未熟児と低出生体重児との違いは?

医学的には生まれた時の体重が2500g未満の赤ちゃんのことを低出生体重児と呼んでいます。体重による分類はさらに細かい定義があって出生体重2500g未満を低出生体重児、出生体重1500g未満を極低出生体重児、出生体重1000g未満を超低出生体重児としています。小さな体で生まれた赤ちゃんでも身体の機能には何の問題もない場合も、逆に2500gを超えて生まれた赤ちゃんでも身体の機能が未熟な場合もあります。
以前は小さく生まれた赤ちゃんのことを未熟児と呼んでいましたが現在では医学用語としては未熟児という言葉は使いません。出生時の体重に加えて呼吸機能、哺乳能力、神経機能などの生命機能が、胎外での生活に十分適応できるかどうかなどを見定めて慎重に対処していきます。

未熟児になる原因と生存率

低出生体重児の多くは早産(妊娠22週〜37週未満)で生まれた赤ちゃんです。赤ちゃんの体は、お母さんのお腹の中にいる間に外に出てくる準備が整います。何らかの原因で早産になるとその準備が整わず、体が小さかったり、体の機能が未熟な場合があるのです。また妊娠期間は十分であっても子宮内胎児発育不全などで低体重になることもあります。
赤ちゃんの在胎週数によって体の各器官の発達や身体的機能が異なります。そのため、赤ちゃんの生存率も変わってきます。例えば妊娠22週で赤ちゃんが生まれてくると体重は400〜500g、生存率は30%~40%しかありません。1日でも長くお母さんのお腹にいることが生存率を挙げることになります。28週になると内臓機能もできて体重は1000gを超えるようになり、生存率は95%以上にあがります。内臓の中で肺の機能が完成するにはもう少し時間がかかり、すべての機能が完成するのは34週以降です。

未熟児のリスクと後遺症

早産になると体重だけでなく未発達の器官や機能があるため赤ちゃんにも後遺症が起きる可能性があります。
その中でもよく知られているのが未熟児網膜症です。妊娠28週未満での早産ではほぼ100%の確率で発症すると言われています。多くの場合は自然に治りますが、場合によっては失明することもあります。
また30週未満の肺が未発達の時期に早産すると、呼吸器系に後遺症がのこることもあります。
その他、動脈管開存症、呼吸窮迫症候群、新生児仮死、慢性肺疾患、貧血など健康上のリスクとなる合併症も起きやすくなります。
低出生体重児は成長後も発達上の問題が残る場合もあります。特に「極低出生体重児」については、運動障害(脳性麻痺)や知的障害などがあらわれる頻度が高いと考えられており、長期的な経過観察を行う必要があります。

未熟児の出生後の治療はどんな事するの?

低出生体重児で体の機能が未熟な場合は、NICU(新生児集中治療室)やGCU(未熟児室)でケアを受けます。赤ちゃんの生命維持のサポートをすることと感染症・合併症を防ぐことが目的になります。
さらに出生体重が2000gに達していない場合には、赤ちゃんは保育器に入れられます。薬や人工呼吸器などを使って呼吸をサポートをしたり、自力でミルクを飲めない赤ちゃんには点滴をつけて栄養補給をするなどのサポートをしていきます。自力で呼吸をしたりミルクを飲めるようになるまで続きます。

未熟児の入院費用っていくらかかる?

24時間看護のNICU(新生児集中治療室)などを利用すると病院でかかる費用は1週間で100万円近くになるとも言われています。保険がきいたとしても週に数十万円ということになるので、赤ちゃんのためとはいえ気が気ではないところです。
赤ちゃんが特別なケアを必要とする場合、医療費の助成制度があるのでうまく利用すれば実際には費用はほとんどかかりません。保育器に入ったとしても容器代やミルク代などを支払うだけで済むこともあります。

未熟児養育医療制度をうまく活用しよう

出生体重が2000g以下の場合で医師による「入院による養育ケアが必要」という判断がなされた場合には「未熟児養育医療制度」の対象になり、治療費用の助成を受けることができます。具体的にはけいれんがある、運動が少ない、体温が34度以下、チアノーゼなどの呼吸器系・循環器系の異常、 生後24時間以上排便がない、生後48時間以上嘔吐を繰り返す、血性嘔吐、血性便があるなど消化器系の異常、強い黄疸(おうだん)などの症状がある場合です。
条件を満たせば全国どこでも制度を利用することができます。ただし、様々な手続きが必要になります。
出生届の提出や健康保険証への追加、医師に養育医療意見書をもらい、所得証明など必要書類を揃えた上で保健所に提出します。
世帯の所得額や自治体によっては全額補助が受けられない場合もあります。また費用の助成を受けられるのは指定養育医療機関を利用した場合に限られるという制約もあります。入院する予定の病院が指定養育医療機関かどうか、前もって確認しておくといいでしょう。

未熟児誕生!届出はどうしたらいい?

体重2500g未満の低出生体重児を出産した場合、自治体の役所に届出を出すことが必要になります。これは母子保健法第18条で義務付けられています。各市区町村ではそれに基づいて訪問指導を行います。保健婦さんが各家庭を回って赤ちゃんの様子を見たりお母さんの相談に乗ったりしてくれます。未熟児は成長過程でも慎重に見守っていく必要があるのでお母さんは赤ちゃんの今後のケア等について安心して相談することができます。

未熟児はいつ退院できる?退院の目安とは?

赤ちゃんが退院しても大丈夫と判断される目安は赤ちゃんの様子が安定して外の世界で生活しても大丈夫と判断されることです。具体的には安定した心拍や呼吸が見られること、順調に体重が増え、自力でミルクや母乳が飲めること、また病気がなくあっても状態が安定していることなどです。通常もともとの出産予定日前後が退院の目安になります。
ここまで頑張って健康に育った赤ちゃんを連れて帰り、お家での生活が始まることになります。

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