別居期間1年で離婚できる?知っておきたい別居中の生活費や恋愛の注意点

一般的に、別居期間が長ければ長いほど離婚が認められやすくなると言われていますが、別居期間が1年でも離婚することは可能なのでしょうか?実は、離婚した夫婦の約8割は、別居期間が1年未満なのだそうです。

今回は、離婚と別居期間の関係に加えて、別居中の生活費や恋愛についてお話していきます。






別居すると離婚を認められやすくなる理由とは?

離婚するためには、必ずしも別居する必要はありませんが、離婚を切り出しても相手が合意しない場合には、別居することで離婚できる可能性が高まります。

話し合いを行っても相手が離婚を拒否する場合には、家庭裁判所に離婚調停を申立てすることになります。離婚調停は調停委員が夫婦の間に入って行う「話し合いの場」ですので、この段階では法律で定められている離婚事由の有無は重視されず、お互いに離婚に合意することができれば離婚できます。

しかし、離婚調停で決着がつかずに不調となると、離婚裁判に移行します。離婚裁判では、これまでの経緯や現在の状況を考慮した上で裁判官が決定します。離婚裁判で離婚が認められるには、法律上の離婚事由に該当する必要があるのです。

法律上認められている離婚事由は、下記の通りです。

・不貞行為(不倫)
・悪意の遺棄
・配偶者が3年以上の生死不明
・配偶者が重度の精神病で回復の見込みがない
・その他婚姻を継続しがたい重大な事由

悪意の遺棄とは、具体的に「生活費を渡さない」「頻繁に家出を繰り返す」ということが挙げられます。そして、その他婚姻を継続しがたい重大な事由の一つに、「婚姻関係の破綻」があるのですが、別居することで婚姻関係が破綻していると判断されやすくなると言うわけです。

1年未満の別居期間で離婚できる?

協議離婚・調停離婚なら1年未満の別居で離婚できる

裁判ではなく離婚調停の段階であれば、法律上の離婚事由がなくても相手が同意さえしてくれれば、別居期間が1年未満で離婚することが可能です。また、話し合いによる協議離婚の場合も、別居の有無に関係なく双方の同意で離婚できます。

裁判離婚では5年以上の別居期間が目安

離婚裁判では、別居することで婚姻関係が破綻していると判断されやすくなりますが、婚姻関係の破綻を示すために「別居中の期間」が重要な要素となります。

離婚するために必要な別居期間はケースによってさまざまですので、明確な基準はありませんが、過去の判例では5年が目安だと言われています。

もし、別居期間が短いために裁判で離婚が認められなくても、時間をあけて再度離婚訴訟することで、別居期間が前回よりも長くなっていることから、離婚が認められる可能性が高くなります。

離婚を実現させるための別居や調停、裁判は想像している以上に相手も自分も精神的に疲弊するものです。なかなか離婚に応じてくれない状況が続くと、最後は忍耐強さの争いとなってきます・・・。

有責配偶者からの離婚請求は長期戦を覚悟

有責配偶者とは、不倫やDVなどの離婚原因を作った側の配偶者のことを言います。

原則的には、有責配偶者からの離婚請求は認められていませんが、下記のような事情を満たしていれば、例外的に離婚を認めてもらえる場合もあります。

・相当長期の別居期間を経ている
・未成年の子供がいない
・離婚することによって、一方の配偶者が精神的・金銭的に過酷な状況に置かれない

また、別居期間が長期に渡る場合には、有責配偶者からの離婚請求も認められることもあります。その際に必要な別居期間は、同居していた期間に対する年数で判断されますので、「〇年別居すれば離婚が認められる」という明確な基準はありませんが、別居期間が15年以上になると、有責配偶者からの離婚請求も認められる傾向があるのです。


性格の不一致でも別居すれば離婚できる?

性格の不一致とは具体的に「考え方や価値観が合わない」、「生理的に受け付けない」などが挙げられ、離婚原因の多くがこれらに当てはまります。話し合いによる協議離婚や調停離婚では性格の不一致が理由でも離婚することはできますが、先ほどご紹介したように、裁判となると性格の不一致ということだけでは離婚は認められません。

しかし、「どうしても離婚したい!」となった場合、相手が同意しない限り離婚できないことになりますが、別居することで法律上の離婚事由を作ることができ、裁判離婚できる可能性が高くなります。

さらに、別居中の生活費を配偶者に請求できることをご存知でしょうか?
別居中の生活費を請求すれば、「絶対に離婚しない」と頑なになっている相手でも、一緒に暮らしていない配偶者へ毎月生活費を支払う事が次第に嫌になってくるため、離婚に応じてもらいやすくなります。

別居中の生活費について

別居中であっても、配偶者から生活費を請求できることをお話ししましたが、これを「婚姻費用分担請求」と言います。
そもそも、夫婦には婚姻中の生活にかかるお金(婚姻費用)を2人で分担する義務があります。婚姻費用とは具体的に言うと、家賃や食費、子供の教育などにかかるお金のことで、夫婦のうち収入が多い方から少ない方へ支払います。

婚姻費用として請求できる金額は、話し合いで決まればいくらでも可能ですが、そうでない場合には家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申立てし、調停委員が夫婦の間に入る形で話し合いが行われることにあります。その際に参考にされるのが「婚姻費用算定表」です。これは、夫婦の収入や雇用形態、子供の人数や年齢などを考慮して家庭裁判所によって作成されたものです。
調停で話がまとまらない場合は審判へと進み、婚姻費用算定表を基にして、裁判官が金額を決定することになります。

婚姻費用の計算シミュレーションでは、夫婦の年収、雇用形態、子供の年齢、人数を入力するだけで簡単に算出できます。
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算定表に基づいた婚姻費用計算シミュレーター

別居中の生活費を確保!婚姻費用分担請求とは?

ただし、別居の理由が自分自身にある場合(不倫など)には、別居中の婚姻費用を請求しても認められません。子供を引き取って別居しているケースであれば、子供の養育費や教育費のためのお金を請求することは可能ですが、自分の生活費としての婚姻費用はもらうことができないのです。


別居中・調停中の交際について

別居中や調停中、またはそれ以前から新たなパートナーがいるために、離婚を急ごうとする人も多いものです。しかし、それが配偶者に知られてしまったら、別居中にもらえるはずの婚姻費用を請求できなくなったり、逆に自分が慰謝料を請求されてしまう場合もあります。
不倫の責任を法的に負うべきか否かは、新しいパートナーとの交際が始まった時期によって異なります。

婚姻関係が破綻する前から交際していた場合

婚姻関係が破綻する前から交際していた場合、それが離婚原因とされて有責配偶者とみなされてしまったり、慰謝料を負担しなければならない事態になることもあります。

離婚原因を作った有責配偶者とみなされてしまうと、別居していてもなかなか離婚できない状況になるなど、離婚が不利に進んでしまうのです。

新しい交際をスタートするのであれば、それを証明することができる証拠を提出できるようにしておくと、最悪の事態を免れることも可能です。メールやLINEのやり取りなども証拠となりますので、消さずに保存しておきましょう。

調停中から交際が始まった場合

離婚調停中から始まった交際が配偶者に知られてしまった場合、有責配偶者だとされたり、不倫に基づく争点が増えてしまったりすることはありますが、慰謝料を負担するなどの法的な責任を負う義務はありません。

なぜなら、離婚調停を行っている時点で夫婦関係は破綻していると考えるのが一般的なので、破綻後の交際であれば法的な責任を負う必要のある不貞行為だとは判断されないからです。

ただし、破綻後からの交際だとは言っても、調停委員や裁判官からの心証が悪くなってしまうのは確かです。また、余計な疑いがかかることによって、調停が長引いてしまうことも考えられます。

そのようなことから、例え婚姻関係が破綻していたとしても、離婚が成立するまではできるだけおとなしく過ごしておくことをおすすめします。

離婚調停中に相手に新たな恋人ができた場合

今までのお話とは反対に、相手に新たな恋人ができた場合は、交際がスタートした時期を確認しておく必要があります。交際がスタートしたタイミングによっては、慰謝料を請求できますし、特に小さな子供がいる場合には養育費をできるだけ確保しておきたいため、離婚に際する金銭的な条件は非常に重要です。
また、離婚調停を申立てしたのが配偶者である場合は、その相手との交際が原因ということも考えられます。

いずれにしても、離婚調停中に配偶者の交際の事実がわかった時点で、交際がスタートした時期をできるかぎり特定しておきましょう。

離婚が成立するまでは、新しいパートナーの存在を知られないに越したことはありません。離婚が不利に進んでしまうだけでなく、離婚後いつまでも根に持たれて恨まれます。もし子供がいる場合には離婚後も元配偶者と関わらなければならず、その度に嫌な思いをお互いにすることになってしまうので、スマホの管理や言動に十分注意しましょう。

まとめ

離婚を急ぎたい場合は、1年の別居期間でも長く感じてしまうかもしれませんが、焦って感情的になってしまうと、逆に離婚するまでに時間がかかってしまいます。離婚する理由や夫婦関係の問題、その背景は人それぞれですので、自身にとって最善の離婚方法を弁護士などの専門家に相談してみることもおすすめです。







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