離婚調停中の別居でも生活費を請求できる!その方法とは?

離婚調停中に夫婦同じ屋根の下で生活するのは、精神的にかなり辛いものです。調停中に別居することで、お互いに冷静に考える時間が持てるというメリットもありますが、気になるのは別居中に必要な生活費ですよね。専業主婦だった私も、3歳の息子を連れて離婚調停中の別居を経験したことがあるので、不安な気持ちはわかります。
でも、大丈夫!今回は、離婚調停中の別居でも生活費を受け取る方法を解説します。





別居中でも生活費を請求できる!

離婚調停中に別居している状態でも、夫から生活費を受け取ることは可能です。その理由は、法律上「夫婦間にはお互いに協力して扶助する義務」があり、そこから「結婚生活に必要な生活費(婚姻費用)を分担しなければならない義務」が生じるからです。

婚姻費用として請求できる生活費

婚姻費用とは、別居中の夫婦や未成熟の子供の生活を維持するために必要な費用のことで、
・住居費
・食費などの生活費
・医療費
・子供の学費
などが含まれます。
例え別居中だとしても、離婚する前の夫婦にはお互いに同じ生活レベルで暮らせるように助け合う義務があるため、妻は夫の年収に応じた費用を請求できるのです。
ただし、婚姻費用の金額は夫だけでなく妻の年収によっても変わります。もし、夫よりも妻の方が年収が高い場合には、妻から夫へ婚姻費用を支払うことになります。

婚姻費用を請求できる期間

相手に婚姻費用の支払い義務があるのは婚姻期間中ですので、婚姻費用を請求できる期間は、生活費が支払われなくなってから離婚成立までの間です。
また、もし別居期間中に生活費などの未払いがある場合は、その分を離婚時に清算することが可能です。離婚する際には、財産分与や慰謝料などの離婚条件を取り決めることになりますが、その際に婚姻費用の未払い分も清算しましょう。
離婚成立前に金銭関係の支払いが完了しない場合は、確実に支払ってもらうために公正証書を作成しましょう。口約束は後々トラブルの元になりますので、法的な効力のある文書で残しておく必要があります。

別居中の生活費を請求できないケース

・配偶者に経済力がない
婚姻費用を支払う側が無職であったり、限りなく収入が少ない場合には、婚姻費用を支払ってもらうことは難しくなります。
状況によっては、逆に相手から婚姻費用を請求されてしまう場合もあるのです。

・強制執行できない
ここで言う強制執行とは、もし婚姻費用が支払われなかった場合に相手の給与を差し押さえすることです。相手が会社員の場合は、裁判所による給与の差し押さえが可能ですが、転職したりして請求相手の勤務先がわからなければそれができません。また、強制執行するためには、相手の銀行口座や支店名の情報も必要です。

・請求する側に別居原因がある
婚姻費用を請求する側に、不倫などといった別居の原因がある場合は、原則として別居中の婚姻費用請求は認められません。
ただし、子供を連れて出て言った場合には、基本的に子供の生活にかかる費用の請求は認められることになります。


婚姻費用はいくらぐらい請求できるの?


婚姻費用として相手にいくらぐらい請求できるのかは、家庭裁判所が作成した「婚姻費用算定表」を目安にしましょう。
夫と妻の年収や子供の人数によって異なりますので、あなたのケースに当てはまるゾーンをチェックします。ただし、この算定表によって算出された金額では確実に不公平になるような特別な事情がある場合、その事情も考慮して金額が増減されることになります。

また、最近では婚姻費用算定表をもとに請求可能な金額を計算してくれる自動計算システムもありますので、参考にしてみてくださいね!

婚姻費用請求の手順

婚姻費用を相手に請求する際、まずは夫婦で話し合い(協議)するのが基本です。
あらかじめ、「毎月いくら」というかたちで支払ってもらう金額を決めてから切り出すのがスムーズだと思います。毎月支払ってもらう金額の目安は、上記の「婚姻費用算定表」の通りですが、必ずしも算定表通りの金額である必要はありませんので、相手が承諾すればいくらでも可能です。

ただし、相手が逆上してあなたや子供に危害を加える恐れがある場合は、直接話を切り出すのは非常に危険ですので、弁護士に一度相談しましょう。


話し合いが合意したら公正証書を作成

無事に夫婦間での話し合い(協議)がまとまったら、その内容を公正証書にして確実に支払いを受けられるようにしましょう。
口約束では「言った、言わない」のトラブルになりかねませんし、もし支払いが滞った場合でも強制的に支払わせることができません。公正証書でない書面にしても、強制的に支払わせるには裁判をして勝訴判決を確定させる必要があります。これらを離婚調停と同時に行うとなると、精神的にかなり疲れ果ててしまうことに・・・。
その点、公正証書を作成しておけば、裁判を行わなくても相手の給与から強制的に差し押さえることができるのです。

公正証書の作成方法

公正証書を作成する際は、あらかじめ夫婦間で合意する内容を取り決めておくことが前提です。合意内容が決まったら、最寄りの公証役場に連絡をして、公正証書の作成を希望している旨と、合意している内容を伝えます。公正証書の文章は公証人が作成するので、文章まで考えておく必要はありません。

指定された日時に公証役場へ行き、そこで公正証書の内容を確認します。この際、後々のトラブルを避けるためには、当事者である夫婦で出向くのが基本です。代理人でも可能ですが、その場合は委任状が必要です。

公正証書作成にかかる費用

公正証書を作成する際は、下記の費用がかかります。

・公証人に対する手数料
公証人に対する手数料は、目的の価額によって下記のように法定されています。
ちなみにこの手数料、私の場合は公正証書の作成を希望した元夫が払いました。

目的の価額 手数料
100万円以下 5,000円
100万円超200万円以下 7,000円
200万円超500万円以下 11,000円
500万円超1000万円以下 17,000円
1000万円超3000万円以下 23,000円

・公正証書の正本・謄本の交付費用など
正証書の正本・謄本の交付を受ける費用として1ページ当たり250円、送達手数料として1400円+切手代、送達証明書が250円、執行分付与に1700円などの諸費用もかかります。

・弁護士費用(依頼する場合)
公正証書の作成を弁護士に依頼する場合は、弁護士費用も別途発生します。弁護士費用に関しては、弁護士によって金額が異なりますので、依頼する場合は見積もりを出してもらいましょう。


話し合いがまとまらなければ調停を利用


「婚姻費用の話し合いが夫婦間でまとまらない」、「話し合いに相手が応じてくれない」といったケースが、実際にはほとんどだと思います。
平行線の状態でどうにもできない場合には、家庭裁判所で「婚姻費用分担調停」を申し立てすることをおすすめします。
離婚調停と婚姻費用分担調停は並行して行うことができますので、調停中に別居するのであれば、できるだけ早く婚姻費用分担調停の申し立てをしましょう。

婚姻費用は請求した時から認められる

できるだけ早く婚姻費用分担請求を行う理由は、婚姻費用は請求した時から相手に支払い義務が発生するからです。
「離婚したいのに、相手が離婚に応じてくれない」という場合も、婚姻費用分担請求の調停は有効です。生活費を請求された相手は、一緒に暮らしていない相手にお金だけを支払うのが嫌になり、離婚を承諾するケースも多いのです。

申立て

まずは、離婚調停の際と同様に相手の住所地を管轄している家庭裁判所に申し立てします。すでに離婚調停の申し立てを行っている場合は、申し立て書類に離婚調停の分の事件番号も記載しておきましょう。
申立ては、書類を直接家庭裁判所へ持参しても、郵送でも可能です。

申立てに必要な書類

・婚姻費用分担請求調停の申立書
・夫婦の戸籍謄本
・申立人の収入を証明できるもの(源泉徴収票、給与証明書、所得課税証明書)
・相手方の収入を証明できるもの(可能な場合)

申立書は、家庭裁判所に直接もらいに行くこともできますが、家庭裁判所のホームページからダウンロードすることも可能です。
調停は基本的に1か月に一度ぐらいのペースで行われるため決着までに時間がかかるものですが、あらかじめ夫婦の収入を証明できる書類をあらかじめ提出しておくと、スムーズに進めることができます。

申立てにかかる費用

・収入印紙 1200円
郵便局やコンビニ、家庭裁判所で購入することができます。

・切手代 800円前後(家庭裁判所によって異なります)
調停中に書類を郵送するための切手代が、800円前後かかります。もし余ったら、その分はあとから返却されます。

申立てから2週間前後で呼出状が届く

申立てをしたら、2週間前後で第1回目の調停期日が記載された呼出状があなたと相手方に届きます。

第1回目の調停期日は、申立てした日からだいたい1か月後となります。この調停期日は、その後も合意に至るまで月に1回ぐらいのペースで行われます。離婚調停と同時進行で行う場合は、離婚に関する話し合いと婚姻費用に関する話し合いを一緒に進めて行くことになります。

調停当日

調停では、離婚調停と同様に2名の調停員が間に入るかたちで夫婦別々に行います。待合室も当事者と相手方が顔を合わせないように、別々の部屋が用意され、家庭裁判所への呼び出し時間もずらして指定されます。


調停が成立した場合

お互いに合意して調停が成立したら、調停案が作成されます。その内容に問題がなければ、1、2週間ほどで調停調書が自宅へ郵送されてきます。

この調停調書があれば、先ほどご紹介した公正証書と同様に、相手が支払いしてくれない場合に強制執行できるのです。

調停が成立しなかった場合

調停が成立しなかったら、ほとんどの場合は自動的に審判に移行することになります。
審判では、調停に提出された資料などをもとに、裁判所の判断によって婚姻費用が決定されます。

合意したにも関わらずお金が支払われない場合は?

婚姻費用の支払いに合意したにもかかわらず、お金が支払われない場合には下記のような対処法があります。

当事者間での話し合いで合意していた場合

・まずは相手に直接督促
約束したお金を支払ってくれない場合、まずは相手に電話やメールにて督促しましょう。意図的に支払っていないのではなく、忘れているだけかもしれません。連絡がとれたら、「いつまでに支払う」という期日も決めておきましょう。

・内容証明郵便を郵送する
相手に連絡がつかない場合は、滞納している婚姻費用の支払い請求書を内容証明郵便にて郵送します。内容証明郵便とは、「誰が、いつ、だれ宛に、どんな内容の手紙を出したのか」ということを郵便局が証明してくれる郵便です。
それでも支払いしてくれなければ、「婚姻費用分担請求」の調停を申し立てしましょう。

調停・審判で合意した場合

・履行勧告
相手から婚姻費用の支払いがない場合、まずは家庭裁判所に履行勧告してもらいます。
履行勧告とは、裁判所が相手に支払いを説得したり勧告するもので、費用をかけずに行えます。ただし、履行勧告には強制力がないため、相手が応じなければ次の手段をとる必要があります。

・履行命令
履行勧告に相手が応じない場合、今度は家庭裁判所に履行命令を発してもらいます。
もし相手が履行命令に応じない場合は、10万円以下の過料が科せられますが、こちらも強制力はありません。
ちなみに、履行命令を発してもらうには500円の手数料がかかります。

・強制執行
相手が上記のいずれにも応じない場合は、強制執行によって相手の給与や預貯金などを差し押さえて、そこから未払いになっている婚姻費用を回収できます。この差し押さえは、家庭裁判所ではなく、地方裁判所に申し立てをして行います。


子供を連れて別居する場合は児童手当の受給者変更を!


児童手当は、同居している人に支給されるものです。もし相手が受給者となっている場合には、居住地の役所にて受給者の変更も忘れずに行いましょう。

【NHKの受信料】居場所を知られたくない方は注意!

引っ越しして新しい部屋を借りることになると、NHKの受信料の集金の方がやってきます。その際に、「これも婚姻費用の一部」だとして別居中の夫のクレジットカードから引き落としてはいけません。後に夫へ住所変更通知が行ってしまいますので、現在の居場所がバレてしまいます。

NHKの受信料は、新たにあなたの名前で契約しましょう。






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