【離婚に向けた別居】必要な準備と注意点について

離婚に向けた別居を考えているのなら、新しい住まいを借りるための初期費用や、引っ越し費用などのためのまとまったお金が必要です。しかし、その他にも状況によって同居中に準備するべきことはたくさんあります。

私も離婚に向けて別居をした経験がありますが、「早く離婚したいから」と見切り発車してしまうと、後々後悔する羽目になってしまいます。準備を万端にして、着実に離婚へ進みましょう。






別居前に準備しておくこと

別居を開始する前に準備しておくべきことは、下記の通りです。
一つずつチェックしていきましょう。

・生活費の確保
・住まいの確保
・子供の環境調整
・夫の収入を把握しておく
・夫婦の財産を把握しておく
・証拠集め
・離婚届不受理申出



生活費の確保

仕事を探す

別居を考えた時に、まず必要なのが生活費の確保です。
元々別居する前からお仕事をしていて、自分の収入のみで十分生活できるのであればそれに越したことはないですが、専業主婦であるため収入がない、もしくは収入はあるけれど十分でない場合には、新たに仕事を探す必要があります。

仕事探しをする際は、正社員での採用にこだわらず、契約社員や派遣社員なども検討してみましょう。確かに、正社員で働く方がボーナスが支給されたり、福利厚生などの面でも安心です。しかし、小さい子供がいる場合は、働ける時間が制約されるため正社員として採用されるのが難しかったり、正社員で採用されても残業があったりと、条件が厳しい場合が多いものです。

ですので、別居開始時はひとまず、契約社員または派遣社員でお仕事をして、子供の成長に合わせて正社員へステップアップすることも一つの方法です。

もし、小さい子供がいて仕事を探すのが難しい場合は、「マザーズハローワーク」を利用してみましょう。求人の内容は一般のものと同じですが、ママ向けの仕事を紹介してくれたり、履歴書や面接に関する相談も乗ってくれます。

収支をシミュレーションする

別居を考えているのでれば、一度収支のシミュレーションをしておきましょう。賃貸に住むのであれば、家賃や光熱費、食費などの生活費が月にいくらぐらいかかるのかを計算して、収入がそれを上回るようにしなければいけません。

「婚姻費用分担請求調停」を申立てする

「小さい子供がいるため、そんなに働けない」「ブランクがあるから、仕事が見つかるのか心配」「そもそも、今まで専業主婦だった自分がいきなりバリバリ働くのは難しい・・・」
そんな時に頼れるのが、「婚姻費用分担請求」です。

婚姻費用分担請求とは、別居中の生活費として一定の金額を配偶者に請求できるもので、収入が多い方から少ない方へ支払います。金額は話し合いで自由に決めることも可能ですが、話し合いがまとまらない場合には家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申立てしましょう。ほとんどの場合は、家庭裁判所が作成した「婚姻費用算定表」を基準に決定します。

婚姻費用算定表は、夫婦それぞれの収入や子供の年齢や人数、雇用形態などを考慮して作成されたものです。例えば、パート勤務の妻(年収200万円)が14歳未満の子供が2人を連れて別居すると、会社員の夫(年収600万円)が妻に支払うべき婚姻費用(生活費)は月額10万円~12万円となります。

婚姻費用の計算シミュレーションでは、夫婦の年収、雇用形態、子供の年齢、人数を入力するだけで簡単に算出できます。
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算定表に基づいた婚姻費用計算シミュレーター

ただし、一方的に家出した場合や、自分自身に離婚原因がある場合には請求しても認められません。

離婚調停中の別居でも生活費を請求できる!その方法とは?

別居時に利用できる補助金と助成金

別居時には、「児童扶養手当」や「生活保護」を申請することも可能です。
これらは申請すれば必ずもらえると言うわけではありませんが、いざと言う時に役立つかもしれませんので、知っておくと安心です。

児童扶養手当とは、ひとり親家庭が利用できる手当ですが、離婚を前提とした別居中の場合でも申請することができます。ちなみに、「児童手当」も引き続き受け取ることが可能です。
もし、児童手当の振込先の口座が配偶者である場合には、別居する際に振込先の変更を忘れずに行いましょう。


住まいの確保

住まいの確保にかかるお金

実家に帰るのであれば、別居中の住まいに関しては心配ないと思いますが、そうでない場合にはアパートやマンションを借りることになりますよね。
アパートやマンションを賃貸する場合は、毎月の家賃の他に入居する際の敷金や返金もかかりますので、初期費用を支払うためにある程度まとまったお金が必要となります。それに加えて、引っ越し費用や家電をそろえる費用もかかりますよね。
これらに必要なお金は、同居している間に少しずつ貯めておくことをおすすめします。

例えば、家賃7万円の物件で別居生活をスタートするためにかかる初期費用は下記の通りです。

■不動産屋に支払う費用:約42万円
部屋を借りる際に不動産屋に支払う金額は、一般的に「家賃の5~6か月分」だと言われています。

家賃(1か月分) 7万円
敷金(1か月分) 7万円
礼金(1か月分) 7万円
仲介手数料(1.08か月分) 7.56万円
鍵交換費用 約2万円
火災保険 約2万円
保証会社初期費用(0.5か月分) 3.5万円

※家賃に関しては、初月の日割り家賃が別途かかります。

■引っ越し費用:約1万3,500円~3万円
引っ越し業者を利用する場合は、トラックの種類や運ぶ人数、かかる時間によって料金が異なります。また、2月~3月の引っ越しシーズンになると料金が高くなったり、予約がなかなか取れなくなるので、混雑する時期は避けましょう。
家具や家電は新たに購入して、別送するという場合には、宅急便やレンタカーを利用して運ぶこともおすすめです。また、大きな家具や家電がない場合であれば、赤帽を利用することで引っ越し費用を約1万3,500円程度に抑えることも可能です。(赤帽の料金は移動する距離や所要時間などによって異なります。)

■家具・家電を一式そろえる費用:約15万円
必要な家具や家電には個人差があるかもしれませんが、生活に必要な一式をそろえるとすると、約15万円程度かかります。
できるだけ安いものを探すことも大切ですが、安くてもすぐに故障してしまって修理費がかかるようでは意味がないですよね。家具や家電は長く使用するものですので、納得いくものを選んだ方が結果的にお得になると思います。

また、ガスコンロやエアコンが設置されていない物件を借りる場合には、それらの費用がかかることも頭に入れておきましょう。

新しい住まいを探す

アパートやマンションなどを賃貸契約する際、専業主婦で収入がない場合には自分名義で部屋を借りることができませんので、まずは仕事を探して収入を得る必要があります。また、賃貸契約の際には保証人も必要となりますが、保証人に関しては保証人なしで契約できる物件を探してもらうこともできますし、保証会社を利用することも可能です。
物件を探す際は、不動産屋さんに「離婚を前提に別居する」といったことも伝えておくと、そういった事情を考慮して物件を案内してくれます。
変に事情をごまかしたり、離婚する予定の夫に頼ることは、後々トラブルの原因となってしまいますので、不動産屋さんには正直に事情を話し、自分名義で部屋を借りましょう。



子供の環境調整

転園、転校の手続き

子供がいる場合は、転園や転校の手続き、保育所や学童保育所などといった子供の環境も調整する必要があります。家庭の環境が大きく変わることで一番ダメージを受けるのは子供ですので、できれば転園や転校を避けられるように別居のタイミングを考えてあげたいものです。

また、認可の保育園は年度の途中で入ることは非常に難しいので、ひとまず認可外の保育園を利用しつつ、認可保育園の申請を出しておくことをおすすめします。

別居中の面会交流について取り決めしておく

配偶者にDVや連れ去りなどの危険がない場合は、別居中でも離れて暮らす配偶者と子供を定期的に会わせなければいません。子供が嫌がっているなら無理に会わせる必要はありませんが、そうでなければ子供のために面会交流を行いましょう。

別居中の面会交流は子供のために行うものですが、離婚調停となった場合に調停委員の心証が良くなるこちら側のメリットもあります。

配偶者の収入を把握しておく

上記で触れた婚姻費用分担請求の際や、子供の養育費を決定する際に、配偶者の収入を知っておく必要があります。調停となった場合には、直近3か月の給与明細書の提出が求められますが、話し合いによって決めるのであれば、源泉徴収票や所得証明書など、収入を証明する書類を手元に保管しておきましょう。


夫婦の財産を把握しておく

離婚する際に夫婦の財産をそれぞれに配分する財産分与を行いますが、その際に夫婦共有の財産を把握している必要があります。夫婦の共有財産とは、結婚してからこれまでに貯めた貯金や購入したマイホームなどで、具体的な例は下記の通りです。

・預貯金
・有価証券(株、投資信託など)
・持ち家
・結婚後に購入した家財道具
・自動車
・生命保険、個人年金保険
・負債(ローンなど)

特に、マイホームを購入した方は注意が必要です。一度別居すると再度立ち入るには配偶者の許可が必要となります。そのため、内覧による査定が難しくなってしまいますので、マイホームの査定は同居中に行うことをおすすめします。

また、負債に関しては持ち家や車のローンであることが多く、そういった場合はマイナスの財産としてカウントされ、離婚の際にプラスの財産と相殺されます。その結果、もし財産がマイナスである場合には、原則財産分与は行われませんので、ローンが残っている場合には支払い予定表もそろえておきましょう。


証拠集め

配偶者に不倫やDVなどの事実がある場合には、その証拠集めも同居中に行いましょう。
同居中であれば、持ち物やスマホをチェックするなど証拠を得る機会がありますが、別居してしまうとかなり難しくなってしまいます。

ただし、DVによる被害を受けている場合には、一刻も早く別居して身を守ってください。DVを受けた証拠としては、傷やケガの写真に加えて病院を受診した際は医師の診断書も挙げられます。


離婚届不受理申出

「離婚届不受理申出」とは、相手が勝手に離婚届を出して、離婚を成立させられることを防止するための届出です。
普通、離婚は双方の合意がなけれなば成立しませんが、夫婦の一方が勝手に離婚届を役所へ提出することでそれが受理されてしまい、離婚が成立してしまいます。役所では、提出された離婚届が無効であるかどうかを確認しないのです。

離婚に向けた別居でいずれ離婚するにしても、親権や養育費、財産分与などの取り決めをすることなく、不利な条件で勝手に離婚を成立させられてしまうことも考えられます。また、別居中にいろいろと考えた結果、もう一度結婚生活をやり直そうという気持ちになるかもしれません。

一度受理されてしまった離婚を覆すには、家庭裁判所に「離婚無効確認の調停」を申し立てることが必要になり、もし調停が成立しなかった場合は訴訟へと移行することになります。

そういった事態を防ぐために行っておきたいのが、「離婚届不受理申出」です。離婚届けが提出される前に離婚届を受理しないことを申し出ておくことで、相手が勝手に離婚届を提出しても受理されず、不本意な条件での離婚を防ぐことができるのです。

別居する際の注意点について

まずは話し合いをする

DVなどの危険がない限りは、まずは離婚することについて話し合うことが必要です。
話し合いをせずに別居を始めてしまうと、「不倫しているのでは?」などと余計な詮索をされかねませんし、「自分自身が夫婦関係を破綻させた原因を作った」とみなされて、不利な立場になってしまうこともあります。

準備が整ってから別居を開始する

離婚に向けた別居をするのであれば、別居する前に準備しなければならないことがたくさんあります。そこで「早く離婚したいから」と見切り発車をしてしまうと、金銭的に苦しくなったり、正当な財産分与を受けられないなどの不利益を被る可能性もありますので、必ず準備が万端な状態で別居に踏み切りましょう。

「悪意の遺棄」とみなされないようにする

憲法では、「夫婦は同居してお互いに助け合って生活すること」とされているにもかかわらず、正当な理由なく一方的に別居をしてしまうと「悪意の遺棄」とみなされてしまうこともあります。「悪意の遺棄」に該当してしまうと、配偶者から慰謝料の請求をされたり、離婚する際の条件が不利になってしまうこともあります。

ちなみに、別居するために必要な正当な理由とは、下記のように配偶者に落ち度がある場合です。

・不倫(不貞行為)
・DV
・モラハラ
・多額の借金
・相手が拒否することによるセックスレス
・働かない
・生活費を渡さない(悪意の遺棄に該当します) など

離婚話が進まなければ「離婚調停」を申立てする

もし、離婚話が平行線で進まなかったり、親権や財産分与などの意見が一致しないがために、話し合いによる離婚が困難な場合は、家庭裁判所に離婚調停を申立てしましょう。

離婚調停とは、調停委員2人が夫婦の間に入って離婚の条件を調整したり、場合によっては相手を説得してくれることもあります。また、裁判と違って手続きも簡単ですし、難しい法律用語が飛び交うなんてこともありませんので、基本的には弁護士に依頼せず自分で行うことが可能です。

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ちなみに、離婚調停は婚姻費用分担請求調停と同時進行することもできます。申立ても同時に行うことができ、重複する書類は1通提出すればいいので、必要な書類を準備する手間が省けます。

相手が離婚に同意してくれない場合は、離婚調停と婚姻費用分担請求調停を同時に行うことで、「絶対に離婚しない」という相手の心を折ることも可能です。ただでさえ離婚問題の真っ只中にいる時は精神的に多大なダメージを受けることになりますが、そこへさらに、同居していない配偶者に毎月婚姻費用(生活費)を支払うことが嫌になるからです。

まとめ

別居とは、文字通り夫婦が別々に暮らすことを意味する他にも、夫婦関係が破綻しているかどうかを判断する要素であったり、別居開始の時点は離婚する際の財産分与の基準時でもあります。別居するとなると、新しい住まいや仕事などの心配が大きいかもしれませんが、別居が意味する法律的な意味も理解した上で、同居中にできる限りの準備をしておきましょう。






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