離婚と別居の違いは?メリットとデメリットで考えた場合どっちが得なの?

離婚するべきなのか、それともひとまず別居してみるべきなのか、どちらがベストな選択なのかは、現在の状況によって異なります。離婚にしても別居にしても、それぞれにメリットとデメリットがあるので、どちらが最適な方法なのかを考えてみましょう。






離婚のメリット

夫婦関係の悩みから解放される

離婚する一番のメリットは、これまで悩みの種だった夫婦関係の問題から解放されることではないでしょうか?
モラハラやマザコン、浮気や借金など、夫婦の悩みの内容は人それぞれですが、これらの不満や不安から解放されて、配偶者のことを考えなくて済むようになるためには、離婚することでしか解決できないのではないでしょうか?

夫婦関係の悩みは、単にストレスとなるだけでなく、心身へのダメージになっていることもあります。私は、離婚してストレスから解放されたら、婚姻期間中に発症したパニック障害や不眠、ひどい肌荒れがほぼ完治し、それだけ大きなストレスであったことを実感しています。

再婚できる

離婚することで、人生をやり直せるという点も、大きなメリットです。
結婚していると、例え別居していたとしても異性と交際することは「不貞行為」とみなされ、慰謝料の請求をされてしまうことに。もちろん、他の人と結婚することも離婚をしない限りはできません。

しかし、離婚してしまえば現在好きな人がいたり、不倫中の場合でも、その相手と堂々と交際ができて再婚もできるのです。これは、別居では絶対に叶えられない離婚だけのメリットですね。

子供にとって環境が良くなる場合も!

配偶者によるDVがあったり夫婦仲が悪いと、いくら両親2人がろっていても、子供に良い影響はありません。特に、DVによる被害を受けている場合には、すぐにその配偶者から離れて身の安全を守るべきです。

夫婦仲が悪いと、子供の目の前でけんかをしていなくても、子供は敏感にその空気を感じ取るものです。両親の仲がギクシャクしていると、子供は家庭の中であるにもかかわらず、非常に気を使ってしまうため、小さい子供の場合は落ち着きがなくなったり、おどおどとした態度になってしまう子もいるようです。

夫婦仲が悪く子供が家庭の中で気を使ってしまう状況にある場合には、離婚して夫婦の関係をさっぱりさせることが子供にとってメリットとなることもあります。DVや連れ去りなどの懸念がないのであれば、定期的に面会交流で離れて暮らす親ともコミュニケーションをとることが、子供にとっても最善な方法なのではないでしょうか?



離婚のデメリット

経済的に不安になる可能性

離婚することで一番のデメリットになり得るのが、経済的な不安ではないでしょうか?
特に、専業主婦だった人が小さな子供を連れてシングルマザーになる場合は、生活が苦しくなるケースが少なくありません。
また、元配偶者の収入が高かった場合には、これまでと同じような生活をすることは難しくなりますので、生活水準を下げたくない方にとっては非常に辛い所だと思います。

離婚後、経済的な面で困らないようにするには、計画的に行動することです。例えば、専業主婦の場合は、離婚に向けて就職したり、新しい住まいや子供のためのお金をコツコツ貯めたりと、離婚に向けた準備をしてから実際の行動に移すことで、経済的に困窮するリスクを防ぐことが可能です。

専業主婦が親権を取るには?離婚後の仕事やお金の不安について

子育てと仕事の両立が大変

離婚していなくても、子育てと仕事を両立することは時間的にも、体力的にも大変なことですが、離婚していなければ、配偶者の収入に頼って自分の仕事を子育てと両立できる範囲に調整することもできますよね。

しかし、離婚したら当然金銭的に頼れる人はいませんので、いくら辛くても子育てと仕事を自分一人でこなしていかなければなりません。加えて、子供が成長するにつれて学費や塾代、習い事などのお金がかかってきますので、それらのためのお金も貯めていかなければなりません。

子供に寂しい思いをさせてしまう

子供がまだ小さい場合は、父親か母親のどちらかに引き取られることになりますよね。
離婚に限らず別居するデメリットにも当てはまりますが、やはり子供は両親と一緒に暮らしていきたいのが本音のようです。

成長するにつれて、子供でも自分で両親のところを行き来できるようになったり、大人に近づくにつれて「そんなに嫌なら離婚すればいいのに」と喧嘩する両親を見て感じるようになるかもしれません。
しかし、幼稚園や保育園、小学生ぐらいの子供だと、面会交流で親権者でない親と会えたとしても、別れ際は寂しそうにしているのがわかります。


別居のメリット

婚姻費用を受け取れる

別居中でも、配偶者から「婚姻費用」として生活費を受け取れることをご存知でしょうか?
婚姻費用とは、夫婦とその子供が生活していくために必要なお金のことで、具体的には居住費や食費、学費などといった費用のことです。
法律上、夫婦はそれぞれの収入に応じて婚姻費用を分担する義務を負っているのですが、それは別居をしていても法律上の夫婦である限りはなくなることはないのです。別居する際の婚姻費用は、収入が多い方から少ない方へ支払うことになります。

別居中の婚姻費用の金額は、双方の話し合いで自由に決めることもできますが、「話し合いで金額が決まらない」「相手が婚姻費用を支払わない」などと言う場合には、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てましょう。調停で婚姻費用の金額が決まれば、別居中でもその金額を相手に請求できるのです。

別居中の生活費を確保!婚姻費用分担請求とは?

離婚調停中の別居でも生活費を請求できる!その方法とは?

調停で話がまとまらなかった場合には審判へと進み、夫婦の収入や子供の年齢や人数、雇用形態などを考慮した上で、裁判官によって金額が決定されます。その際に用いられるのが、「婚姻費用算定表」です。
実際に、調停や審判を行うと時間や労力がかかってしまいますので、話し合いで決めたいのであれば、最初から相手に婚姻費用算定表を基にした金額を投げかけてみることも一つの方法です。

では、婚姻費用算定表によると、婚姻費用はいくらぐらいもらえるのでしょうか?

例① :夫の年収が600万円、妻が専業主婦の場合の婚姻費用は8万円~10万円です。
例② :夫の年収が500万円、専業主婦の妻が2歳の子供を連れて別居する場合の婚姻費用は、8万円~10万円です。
例③ :夫の年収が450万円、妻の年収が100万円で5歳の子供を連れて別居する場合の婚姻費用は、6万円~8万円です。

婚姻費用の計算シミュレーションでは、夫婦の年収、雇用形態、子供の年齢、人数を入力するだけで簡単に算出できます。
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算定表に基づいた婚姻費用計算シミュレーター

ただし、婚姻費用の金額は必ずしも算定表の通りというわけではなく、特別な事情がある場合にはそれも考慮されて決定します。
また、不倫などによる有責配偶者は相手にそれが知られてしまうと婚姻費用の請求はできませんので、注意してください。

離婚原因を作ることができる

「離婚したいのに、なかなか相手が応じてくれない」という場合は、別居することによって婚姻関係の破綻を証明することができ、裁判所が離婚を認めてくれる可能性が高くなります。

話し合いをしても離婚に同意してもらえない場合、次の手段として離婚調停を申し立てることになります。調停で相手が離婚に同意してくれればいいのですが、そうでない場合は裁判へと進みます。

調停:調停委員をまじえた話し合いの場で、この段階では離婚事由は問われない。
裁判:これまでの経緯を考慮した上で、裁判官が判断する。離婚するには、法定離婚事由に該当する必要がある。

法定離婚事由とは、下記の通りです。

・不貞行為(不倫のこと)
・悪意の遺棄
・配偶者の生死が3年以上不明
・配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
・その他婚姻を継続しがたい重大な事由

「悪意の遺棄」の具体例としては、配偶者に生活費を渡さなかったり、頻繁に家出を繰り返す、一方が全く家事を行わないということなどが挙げられます。
「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」とは、抽象的でアバウトな表現ですが、具体的には下記の通りです。ただし、下記に該当する場合でも夫婦関係が破綻していないと判断されたり、信頼関係の修復が可能だとみなされた場合には、離婚できない可能性もあります。

【婚姻を継続しがたい重大な事由の具体例】
・長期間別居をしている(単身赴任などは含まれません)
・DV、モラハラ
・性の不一致(セックスレスなど)
・薬に依存している
・度を超える宗教活動
・日常生活に支障が出るほどの浪費癖
・犯罪をして服役している

離婚の意思が固いことを伝えることができる

実際に別居という形で行動に移すことで、離婚の意思が固いことを相手に伝えることができます。いくら口で離婚したいと言っても、一緒に暮らしている状態では相手は深刻に受け止めてくれないことも多いのです。

さらに、先ほどご紹介した婚姻費用を請求することで、離婚へのプレッシャーを強めることもできるのです。婚姻費用は、離婚しない限り支払い続けなければならないものです。配偶者と言えども、一緒に暮らしていないのに月に数万円の生活費を払うことが嫌になり、やがて離婚を承諾してくれる可能性が高まってくるはずです。

私の元夫も、別居したことで事の重大さに気づいたと言っていました。別居するまでは、修復の可能性があると思っていたようです・・・。

離婚したことを周りに知られずに済む

最近では、離婚することは特に珍しいことではありませんが、やはり世間からどのような目で見られるのかが気になるという人も少なくありません。特に、年配の方は「一度結婚したら生涯連れ添うもの」と言う価値観を持っている方が多いので、離婚することをあまり良く思わない傾向にあります。

別居は、そのようにして離婚に踏み切れない夫婦が選ぶ手段の一つでもあるのではないでしょうか。離婚ではなく別居であれば、苗字が変わることも、戸籍に記載されることもありません。また、子供がいる場合には、子供の苗字を途中で変える必要がないという点も別居のメリットと言えます。

別居のデメリット

別居を理由に相手から離婚を請求されるリスク

別居は法律上での離婚事由になりますので、反対に相手から別居を理由に離婚を請求されるリスクもあります。
当初は離婚するための別居だと考えていても、実際に別居してみたら離婚を踏みとどまりたくなったり、単に冷却期間としての別居のつもりである場合は、別居することが裏目に出ってしまうこともあるのです。

もし、現時点で離婚しようか迷っている場合には、逆に相手から離婚を請求されないように、別居する際は「離婚」という言葉を使わずに冷却期間であることを伝えてから開始することをおすすめします。
同時に、「離婚不受理届」も念のため提出しておきましょう。離婚不受理届とは、もし相手が無断で離婚届を提出しても、受理されないための届出です。もちろん、勝手に提出された離婚届は無効となりますが、無効にするためには裁判を起こす必要があり、非常に手間と時間がかかってしまうことになります。

別居前の生活に後戻りできなくなる可能性

「籍を抜いていないのだから、戻りたくなったらいつでも戻れる」なんて考えていませんか?上記で触れたように、別居して家を出ることで、逆に相手が愛想をつかして離婚を請求してくる可能性もあります。
一緒に暮らしていれば、例え家庭内別居でも顔を合わせたり会話をする機会を自然に作ることができますが、離れて暮らしてしまうとそうもいかず、次第に相手の気持ちが離れていっても不思議ではありません。

証拠収集が難しくなる

配偶者が不倫をしている場合、慰謝料を請求するにはその証拠が必要です。
一緒に暮らしていれば、持ち物やクレジットカードの請求書、カーナビなどのあらゆるところから証拠を探し出すことが可能ですが、別居してしまうと不倫の証拠集めが非常に難しくなります。

興信所などを利用すれば、別居していても不倫の証拠を手に入れることができますが、数十万円の費用がかかるので、不倫の事実があるのなら、同居している間に十分な証拠を押さえておきましょう。

【離婚に向けた別居】必要な準備と注意点について


離婚か別居、どちらを選ぶべきかは状況によって異なる

再婚したい人がいるなら離婚

もし、現在再婚したいほど好きな人がいる場合には、離婚をして次に進むことをおすすめします。もし、現在不倫をしてしまっている場合は、その状態が長引けば長引くほど配偶者に知られてしまう可能性が高くなり、慰謝料を請求されたり泥沼離婚となってしまうリスクもあります。
そうなる前に、きれいさっぱり離婚して新しいスタートを切れるように、計画的に動きましょう。

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新しい相手がいないなら別居

特に新しい相手がいるわけでないなら、急いで離婚する必要はありません。
先ほどご紹介したように、離婚せずに別居するのであれば、婚姻費用を請求できるのが大きな理由です。離婚による財産分与や養育費をもらえる可能性もありますが、想定していたほど財産分与がなかったり、養育費の支払いもいつストップしてしまうかわかりません。離婚する際に公正証書を作成していたとしても、元配偶者が失業するなどして支払えなくなったらそれまでですので、あてにしてしまうのは危険です。

もし現在不倫をしてしまっているのであれば、できるだけ早く離婚するべきですが、夫婦問題は法律で解決できるとは限らない感情的な部分が大きな問題となったりしますので、慎重に動く必要があります。もし、自分一人で解決することが困難な場合は、離婚問題に詳しい弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

相手との関係をきっぱりと切ることができる離婚と、婚姻関係が継続される代わりに金銭的には助かる別居。
離婚と別居はそれぞれ一長一短ですので、現在の状況や子供の気持ちも踏まえて判断する必要があります。加えて、もし離婚か別居のいずれかを選ぶのであれば、それに向けた準備も必要です。感情だけに従った衝動的な言動に注意して、最善だと思う方法を探しましょう。







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